コラム

活動を基準にしたコスト管理


活動を基準にしたコスト管理

ITを使って正確な原価計算を行い目標原価に近づけるマネジメント手法が注目されています。コストは、材料などの直接費と人件費などの間接費に分けられます。直接費は生産量に比例するコストのことで、原価計算上もわかりやすく簡単です。間接費は主に人件費です。人件費は工場長などの管理職の費用や作業員の人件費が間接費になります。作業員が複数製品の工程に関わっている場合、配布処理を行います。

一般的な人件費の原価配布は、人件費の合計金額を製品の製造に関わる比率を決めて案分します。例えばA、B、Cという製品を作っている場合、作業時間が2:1:1の割合だった場合で総額の人件費合計が1000万なら製品Aが500万、製品BとCが250万円になります。

しかし、これが正確な原価とはいえません。輸送費や宣伝広告費、営業経費などを考えると製品原価はBとCの方が高くなると考えられます。そこで、実際のビジネスにあった原価算出方法が考え出されました。 『活動基準原価計算』(ABC:Activity Based Costing)という考えです。間接費(人件費)の詳細な分析を行い、それそれのコストを積み上げて原価を計算する方法です。

各作業行程を秒単位で分析を行い原価を算出していきます。この作業は平均90秒とかストップウォッチなどを使って計測します。同様に物流やマーケティングに関わった費用の算出も行い製品原価として積み上げます。この方法だと原理的にはサービス業も原価計算が行える事になります。

ABCを使って目標原価を設定し、その原価内に収めるといったマネジメントが可能になります。このマネジメントを 『活動基準マネジメント』
(ABM:Activity Based Management)といいます。ABC,ABMといった煩雑で複雑な減価管理方法を実現する手段としてITの活用がされています。